500万円以下の予算で普通の中古木造住宅が立体的なスキップフロア空間に
「とある科学の超電磁砲」でおなじみの立川にやって来ました。
今日は、今から10年前にハーフDIYでリノベーションして、
素敵なスキップフロア住宅に生まれ変わった物件を見学します。
立川駅から徒歩圏で便利です。
いわば現在のリノベーション、DIYブームの先駆けともいえるこちらの物件
メディアにもいろいろ取り上げられております。
物件のオーナーさんは、リフォーム会社に10年在籍して、
デザインやプランニングを担当していた奥さんと
建築士の資格を持つご主人のご夫婦。
奥様のkatiさんは日刊すまいでコラムを連載されています。
余談ですが、生まれ変わる前のビフォーはこんな感じでした。
……すごく冴えない物件です。
それが、こんなオシャレな空間に生まれ変わるとは驚きです。↓
階段を掛け替えたり、床を作ったりと大掛かりな工事にも関わらず、
総工費は400万円台と驚きの安さ。
安さの秘密や、工夫されたポイントを
オーナーさんに直撃してみたいと思います
なぜスキップフロアにしたのか
ー普通のリフォームではなく、スキップフロア住宅にリノベーションしようと思われたのはなぜでしょうか。
kati:まずはじめに、駐車スペースをどう確保するかという問題がありました。
近隣の駐車場を借りると結構な値段がするんですよね。
それで、1Fの和室を減築して駐車場を確保して、
なおかつ空間を広く使えるスキップフロアのプランが浮上しました。
通常のリフォームプランと比べて、工事費用は高くなりますが、
毎月の駐車場代が節約できればそのお金で、
工事費用は回収できるかなと考えました。
なぜそんなに工事費用が格安で済んだのか
ーこれだけの工事内容を400万円台で収めているのは驚きです。
コストダウンのために工夫された点はあるのでしょうか。
kati:予算に限りがあったので、内装仕上げ部分は自分たちでDIYするようにしました。
タイルの目地をよく見ると歪なことに気がつくと思います。
(笑)
kati:水回り、特にお風呂はお金がかかる部分なのでなるべく既存を活かしました。
お風呂の床は駅のホームでよくみかけるやつです。
ーたしかに、よく見ると駅のアレですね。
kati:駅で閃いたコストダウンのアイデアです。
施工もDIYで簡単にできました。冬、寒くないですし
耐久性も10年は実証したので、結構おすすめです。
kati:水回りと部屋を仕切る壁を作る必要があった場所は
棚を固定することで、壁の代わりとしました。
これなら、大工さん不要でDIYで壁が作れます。
ー目立たない奥側の側板に穴が空いてますが、これは何か意味が?
kati:じつは働いていた会社で発注ミスがあって、在庫になっていた棚を
いただいて流用しました。
この穴はもともとはダウンライトが仕込まれる場所でして
つまり、本来は横にして使う棚を90度回転させて使っています。
kati:この扉はスーパーの鮮魚コーナーでよく見かけるあの扉を使っています。
住宅用の建具を使うより、コストも安くてデザインも気に入っています。
kati:この扉は少し工夫がしてあって、全開状態にすると
kati:水回りの目隠しとしても使えるようになっています。
ーこれはアイデアですね。
kati:キッチンは業務用のステンレスシンクと調理台を流用しています。
kati:業務用だけあって実用性が高く、シンクの深さが気に入っています。
シャワーヘッド水栓にしたのは主婦のこだわりです。
−換気扇がオシャレで印象的です。結構高いのでは
kati:ヤフオクで見つけて1万円ちょっとで落札した品です。
10年前は今ほど、DIYやリノベーションや一般的でなかったので
掘り出しものの中古設備がヤフオクでよく見つかりました。
kati:この吊り戸棚は昭和の食器棚を分解して
自分たちでペイントしてリメイクしたものです。
ー玄関まわりはIKEAの既成品でしょうか
kati:そうです。デッドスペースを作らず収納として使えるよう工夫しています。
住宅基本性能への考え方
ー断熱や耐震対策はどのようにされたのでしょうか
kati:耐震補強部分は、二級建築士である主人が担当しました。
厳密な計算まではしていませんが、予算の範囲で
十分な強度がでるよう、構造的に重要な場所に筋交いを入れています。
kati:断熱は天井に断熱材を敷いています。もともと白い建材だったので
そのまま敷き詰めただけで、何もしていません。現在は廃盤になっていると思います。
外壁塗装のついでに屋根に遮熱塗料を塗ったのですが、効果てきめんでした。おすすめです。
ー住んでみて気づいた失敗点や不満はありましたか
kait:ある程度予想していましたが、やはり普通のマンションと比べて
夏は3Fが暑くなって、冬は1Fが寒くなります。
スキップフロアなので、建物全体で空気の移動が発生するのは仕方のない事です。
ガレージの高さの関係で、停められる車の種類が制限されるのは、他の方には
マイナスポイントかもしれません。
あとは、大型犬を飼い始めたら「平屋のほうがいいな」と感じるようになりました。
今回、引っ越しを決めた大きな理由でもあります。
DIYリノベーションしたスキップフロア住宅の感想
いろいろな部分にコスト削減の工夫が凝らされたアイデア住宅でした。
katiさんご夫婦にとって2軒目となるこのお家、賃貸に出すことが決まっています。
3つのマイホームをゲットしてきたkatiさんに
ヤドカリ戦略やローンのやりくりについてお伺いしました。