夏祭りに異変?! ダンシングヒーローが盆踊り界のヒットチャートを駆け上っていた
「ダンシング・ヒーロー」といえば、1985年11月にリリースされた荻野目洋子さんのヒットシングル。
そんなダンシング・ヒーローが盆踊りのニュースタンダードとして全国に定着しつつあるのはご存知でしょうか。
credit: Einharch via FindCC
「何言ってんだこいつ?」と思われた方は
まずはこちらの動画を御覧ください。
めちゃめちゃ多くの人が熱狂しています。
いったい何が起こっているのでしょうか?
盆踊りでダンシング・ヒーロー!の発祥、その起源は岐阜県美濃加茂市
起源は諸説ありますが、有力なのが岐阜県美濃加茂市を起源とするものです。
岐阜・愛知県民は、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」で盆踊りにフィーバーする - コラム - Jタウンネット 岐阜県
それにしても、いったいなぜダンシング・ヒーロー? 2001年8月20日付のスポーツ報知記事によれば、美濃加茂市が盆踊りにこの曲を採用したのはリリースから6年後、1991年が最初だ。この美濃加茂市から ...
まったくの余談でございますが岐阜県美濃加茂市といえば、
田村ゆかりさんが主演を務めたアニメ「のうりん」の
聖地として読者の皆様にもすっかりお馴染みのことと思います。
ダンシングヒーローは1991年の盆踊りから採用されたようで、
その歴史は実に四半世紀以上にもなります。
意外と古いことに驚きます。
なぜ盆踊りに荻野目洋子のダンシング・ヒーローなのか
愛知・岐阜エリアの地域特性といえば、
自動車産業と、それに従事するブラジル等からやってきた
外国人労働者の存在があります。
ブラジル他の労働者移民が名古屋、豊田、岡崎、尾張地方、岐阜地方に大量に定住し始めた時、なかなか従来の地域コミュニティに馴染みにくく、交流が少なかった。
そのため交流を深める一環として「盆踊り」への参加にて、なじみを作ってもらうとした。
その方法のひとつに、ただ無理やり外国人に従来の盆踊りを押し付けるのではなく、外国人にも馴染みがあり、日本人にも馴染みのある曲を盆踊りに加えることにした。
それがアンジー・ゴールドの「Eat You Up」カバーである、荻野目さんの「ダンシング・ヒーロー」である。
「はるばる外国から来た彼らが日本の地域社会に馴染んでもらいたい。」
そんな思いから、彼らも耳にしたことのある洋楽のカバーソングであった
「ダンシング・ヒーロー」と日本の地域社会イベントの「盆踊り」が
住民の一体感を生みだすために奇跡のコラボレーションとなった次第です。
ダンシング・ヒーロー盆踊りは全国的に勢力拡大中。北海道でも踊っている
岐阜愛知エリアで始まったダンシング・ヒーロー盆踊り。
これまでの盆踊りで定番だった○○節や○○音頭と一線を画する
歌謡曲が持つポップでアップテンポな曲調、
ダンサブルでありながらも、わかりやすい振付け、
そして何より目新しさも手伝って、
中部地方以外にもじわじわと広がりを見せています。
youtubeに投稿された年月と、ロケ地エリアの関係から
着実にその勢力を全国に拡大している様子がうかがえます。
2013年 葛飾区東新小岩
2014年北海道広尾町に上陸。
仮想・コスプレと融合して、もはや新たなカルチャーになっています。
余談ですが、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」ヒット要因のひとつに
「みんなで踊れそうな振り付け」があり、
子供からお年寄りまで踊れる振り付けが、実は重要なのではと思います。
ダンシング・ヒーロー盆踊り 全国区への道
近年はイヤホンを耳にして踊る無音盆踊りが「シュールな盆踊り」
として話題になるなど逆風が吹く盆踊り業界。
久々のヒットナンバーとなる「ダンシング・ヒーロー」の存在は
高齢化・過疎化・地域コミュニティの崩壊といった
多くの課題を抱える悩める地方自治体にとって
若者を地域イベントに呼びこむことができる
福音となる可能性を秘めているのではないでしょうか。
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