2世帯同居ではなく、「近居」を望む人は意外と多い?
互いの生活に深く干渉せず、緩やかな交流は維持するーー。
『スープが冷めない距離』は
日本人特有のカンファタブルゾーンを
上手くいい得た表現だ。
ATフィールドだ。
この表現、一見すると「欧米発祥」かと思わせるが、
実は日本人の意訳によって産まれた言葉らしい(諸説あり)。
とはいえ、近年の真空断熱保温技術とLCCの発達により、
もはや「スープが冷めない距離」=アジア圏の時代である。
実際にサーモス片手に飛行機に乗ろうとすると、
液体は持ち込めないため、
泣く泣くその場でスープを飲み干すことになる。
やけどに注意したいところだ。
やはり陸路が無難か。
みそ汁が冷めない距離=約2km。
話が脱線したが、
現実的にはスープが冷めない距離とは、
約2kmとなるようだ。
1988年2月に「東京都老人総合研究所」が行った
「みそ汁の冷めない距離実測実験」によると
1.みそ汁の美味しい飲み頃は65~70℃で、ステンレス鍋のみそ汁は出来たて(90℃)
から30分経過すると65℃になる
2.女性の分測×30分=2,100m
スープのさめない距離 | 40歳にして惑いっぱなし - 楽天ブログ
1.みそ汁の美味しい飲み頃は65~70℃で、ステンレス鍋のみそ汁は出来たて(90℃) から30分経過すると65℃になる 2.女性の分測×30分=2,100m ...
という結果が出ている。
その距離、2km。「近居」とはURが提唱する、これからのくらし
「2km」という距離は、最近UR都市機構が打ち出した
「近居」の定義とも合致している。
もはやただの偶然では片付けられない。
「近居」とは子育て世帯と親世帯が、完全同居ではなく
ほどよい距離で別々に住むライフスタイルである。
URでは同一団地内や、近隣団地に2世帯が住むことを想定していて
お互いのプライバシーを保ちつつ、子育てや老後の面倒を
相互にサポートできるのがメリットだとしている。
近居割で家賃5%引き。UR都市機構のギガ大家っぷりときたらもう
「近居」を選択するインセンティブとして
「近居割」=家賃の5%引きを、UR都市機構では打ち出している。
これはスケールメリットを活かした
UR都市機構ならではの施策。
実際には、3親等、同日契約、最長5年などの条件がつくものの、
「ちょっといいかも」と刺さる人もいるのではないだろうか。
つーか、このままじゃ個人の大家さんが駆逐されちゃう!
URの「近居」は日本の新しいライフスタイルになるのか
伝統的な家長制度から核家族へ移行してきた日本。
行き過ぎた核家族化に対するゆり戻しとして
「近居」というライフスタイルを選択する
家庭は高齢化が進むなかで増えるのかもしれない。
次に帰省をする時は
「近居。そういうものもあるのか」
と将来の親世帯との関係を考える
キッカケにしてみてはどうだろうか。
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